C.E.70年 2月14日
am 06:44
場所 ユニウスセブン
あーもう、はいはい、何を止めればいいかなんて一目瞭然ですね!
でもこの短時間でどうすればいいっていうのー。
2月14日てのは知ってるけど何時にそれが起きるのかまではわからない。急がなければ。
でも核ミサイル持ってる艦がどれとかわかんないし、コロニー内にいる今、住民を避難させる方が先決か。
でもやっぱりどうやって。
管制をジャックして警報レベルMAXの避難命令を出すか…思いつくのはそれしかない。
そうとなれば行動を開始せねば。管制室はどこだ。
いっそのことあらかじめ管制区に出たかったですよ天帝…
am 08:32
なんとかそれらしき制服を着た人を見つけ出して連れて来てもらった。
そんなすぐ連れてきてくれるものかって?そこはさー、ほら、私魔法使いだから。
もちろん、避難勧告出すにもちょこっと魔法を使わせて頂きますがね。
非常事態ですから、それも人命救助ですから、服従呪文だってなんだって使いますよ。
最早手段を選んでいる場合ではないのだ。
服従呪文なんて良心が痛みますがそんなこと言っていたら24万強の命がなくなるのだ。
管制室内のみなさんに呪文をかけることに成功し、早速避難勧告を出してもらう。
さて、あとは全員が無事脱出できることを祈るのみだ。
am 09:16
今度は【麟鳳亀竜】を呼び出して、宇宙へと出た。
順次射出されてくるであろう救命艇の護衛と、できれば核ミサイルの破壊が目的だ。
朝にも関わらず住民の避難率は高く次々に救命艇が宇宙に放たれる。
傍受していた通信で、ザフト軍がコロニーからの救命艇に何事かと驚いているのが聞こえた。
あれ、一応、避難命令出したことは上には伝わっているはずだけど。
『地球軍は壊滅寸前だ!なのに何故…』
『艦長、あの救命艇は一体』
『先ほどユニウスセブンから警報レベル10の為コロニーからの避難を開始すると通達があった』
戦局はザフトが優勢なのに、とざわめく彼らだったが、既に始まってしまっている避難にどうすることもできない。
逆に宇宙に出た方が危ないという声も聞こえたけど、核を放たれればコロニーはお終いだ。
未だ戦闘が続く宙域に近い救命艇にはこぼれ玉が当たらないように注意しつつ核を探すけど、どれがどれなのかわからない。
こんな時に【麟鳳亀竜】はだんまりだし、このままユニウスセブンが破壊されるのは変えられない運命なのだろうか。
am 11:04
管制から繋がっているデータを見ると、避難は98%済んでいるようだった。
あと少し。 早く。 核が飛んでくる前に。
先ほど通信から聞こえたとおり、地球軍はもうほとんど戦力は残っていないようだった。
MSとMAじゃあ、そりゃあ戦力差がありまくりだろう。いくら数で圧倒したところで、宇宙空間・さらに相手はコーディネーターという状況で、地球軍はもはや捨身だとしか思えなかった。
だからこそ、核なんて持ちだしたんだろうけど。
その時だった。
避難率100%を伝える電子音が聞こえたと同時に、ジンをすり抜ける一つのミサイルが目に入った。
直感でわかる。
あれが、核ミサイルだ。
最大望遠で拡大すると、やはり核のマークが見えた。
避難100%とはいえ、数機の救命艇はまだコロニーの近くにいる。ミサイルを落とさなければ。
でも、だめだ、遠すぎる!咄嗟に救命艇をかばうことを選択した。
不幸中の幸いか、最後に射出されたとみられる救命艇2隻は近くにあった。
ユニウスセブン側に機体を回し、【次元の歪み】を発生させて盾にする。
核が撃ち込まれ、崩壊を始めたユニウスセブン。
その衝撃はいろんな意味で大きかった。
住民の避難は済んでいるとはいえ、そのあまりの光景に呆然とした。
人が住む場所を、こんなにも簡単に壊せてしまうその兵器がとてつもなく恐ろしかった。
それを解りながら撃ち込む人間が、とてつもなく恐ろしいと感じた。
ザフトの混乱が通信を通して聞こえてきたけど、耳を右から左に通り抜けていくだけだった
小さな水の球がコクピット内に漂い、爆発する光を反射して煌めいていた
C.E.70年 2月14日
pm 00:00
血の バレンタイン
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