もともと私は押しに弱い方である。ああも毎日来られてはね、断りきれません。
まだ返事はしてないけど週明けには云おうかなと思ってる。そしてけっこー形から入るタイプでもある。ので。まずはジャージを買いに行きたいと思います。
でもそういうの売ってるところが近くにあるのかすらわからないのであの人に聞いてみようと思います。

「それならオレが連れてってあげるよ。日曜の午後暇?」
「うん、暇だけど・・・いいの?場所教えてもらえれば行けるよ?」

貴重な休みを私の用事で潰させるのは気が引けるのだが「俺も買いたいものあるからさ」といつものようにニコニコと笑う彼に勝てませんでした。
てわけで日曜日は仙道くんとデートです。やったー!な、何を着ていこう。とかちょっと女子らしいことを考えてぐへぐへ・・もといにまにましてしまった。

「マネージャーやるって決めたんだ?」
「うん、根負けしちゃった。押しに弱いもんで」
「へえー、いいこと聞いちゃったなぁ」

え?何それどこがいいことなんでしょうか。って聞いても「さぁ?」ってはぐらかされましたー。くそう。
そして当日なう。連れてきてもらったのはまさかのチエコスポーツでした。なんでも学割がきくらしいです。よっ店長太っ腹!
店内でひとまず別れてお互いの目当てのものを探すことに。しかし仙道くんは買うものが決まっていたからかすぐに私のところにやってきた。

「どう?いいのあった?」
「うん、でも悩み中。ごめんね、遅くて」
「いや、全然。あ、これとか似合いそうだけど」

え、ぴんくぅ?仙道くんが手に取ったのは某有名スポーツブランドのかわいらしい淡いピンク色のジャージ上。肩から袖全体に白のラインが入っている、THE女子☆て感じの代物である。
仙道くん、こういうのが好みなんだ。んー、なんかよく店員さんにもピンク勧められるんだけどさー、キャラじゃないっていうかさー、気恥ずかしいんだよね。と云ったら「ええー、似合うのに」って返された。

「ほんとにほんと?変じゃない?浮かない?」
「変じゃないし浮かないよ。それとも、アレ?海南って皆練習着地味な感じ?」

うちはけっこー自由で皆ド派手なの着てたりするよ、と仙道くん。・・・仙道くんはド派手なの着るんですか。え、青とか紺とか白黒が多いっておーい、人にこんなファンシーなの勧めておいて自分は無難色って。

「絶対可愛いから。着てみてよ」
「ええー、わかったぁ」

あんまり押されるもんだからとりあえず試着してみることにした。あ、今ほんとに押しに弱いんだなって思ったでしょ!そのとーりだい。

「うんうん、可愛い。絶対可愛い。絶対これがいい」
「ええええ」
「あっ、でも可愛いちゃんを海南の奴らに見せるのはなー。もったいないなー。やっぱやめるか」
「えええええ」

なんなんですか。ていうか可愛いって連発しすぎですよ。さすがモテ男、持ってるなあー!
とりあえず仙道くんがべた褒めしてくれたのでこのピンクのと(乗せられやすいって云うなー、わかってらい)、他無難色のを数枚とTシャツやらジャージ下やらハーフパンツやらもろもろを購入してチエコスポーツを出た。結構な荷物になってしまったと思ったらごく自然に仙道くんが荷物を持ってくれてしまって慌てる。

「わっ、いいよ仙道くん、自分で持つよ」
「何云ってんの。隣歩いてるのにこんな大荷物持たせられないって」
「でもでも」
「いいからいいから」

結局押し切られるかたちで仙道くんに持ってもらうことになってしまった。さすがモテ男、持って(ry

「そうだ、折角だから駅前とかいろいろ回ろうよ」
「え、でも荷物あるのに歩き回って平気?」
「こんくらい荷物でもなんでもないって」

きゅきゅん。さすがモテ(ry というわけで駅前のショッピングセンターも一緒に回ることになった。行きたいとこあったら遠慮なく云ってね、と云われたけどさすがに女性向けのショップに入る気にはなれないしなぁ。あ、あそこ行きたい!生活雑貨のお店ー。ある意味女性向けだけど男性も入りやすいであろう。ちゃんと目的もあるし!ソファにクッションがないのでクッションが欲しいのです!やっぱり触り心地重視だよなぁ。もふもふしてるのがいいなぁ。

「あ、何これー可愛い!くま!」
「いや、ちゃんのが可愛すぎるから」

熊の頭の形したでっかいもふっもふのクッションをぎゅってしたら仙道くんにつっこみを入れられた。ほわい。可愛いのは明らかにこのくまである。
実は小物とかインテリアとかはこういう可愛いものが好きというTHE女子☆な趣味があるのであるこのわたくしにも。ふふふ、どうだこれでも一応女子なのだぞ思い知ったか!

「これにするー」
「うわ即決だね。そんなに気に入ったの?」
「うん、だめかな」
「いや、いいと思う。可愛いし」

ぐっとサムズアップされたのでぐっとサムズアップ返ししておいた。勿論普通のも買いたいと思いますが今日のところはくまだけにしておきます。
これは結構な大きさなので配送してもらうことにしよう。仙道くんは自分が持つのだと思っていたみたいだけどそう云うと「便利な世の中になったなぁ」とかちょっとじじくさいことを云った。んまっ。

「オレさぁ、昔っからガタイでかいからってお袋に買い物付き合わされまくってて」
「荷物持ちとしてってこと?」
「そー。配送とかめっちゃいいシステムだなって感動した」

あらまー。散々こき使われたんですね。しかしちゃんと付き合ってあげる仙道くんて優しいな。反抗期とかなかったのかな。でもそれがあったからこうやって女子の買い物に付き合えるステキ男子に育ったんだね。仙道くん母よ誠にありがとうございます。
うん?こ、これは・・・!!私はとんでもないものを見つけてしまった!女子の憧れの!

「このエプロン可愛いっ」
「ほんとだ」

おっ、同意してくれますかせんどーくんよ!わかりますかせんどーくんよ!フリルは一切なく、タックやギャザーをふんだんにあしらうことによってできるこのふんわりとしたフォルム!すばらしい!なんという私好み!数種類ある柄も全てストライク!えー、どの柄にしようー、迷っちゃうよー、全部可愛いよー。

「えー、どれがいいかなぁ。どれがいいと思う?」
「あ、買うの?うーん、オレはこれが好きかな」

と仙道くんが選んだのは白地にピンクの花が華やかなエプロンだった。ピンク好きだね!実はピンクでも普段着とかじゃなきゃいいんです!小物とかは案外ピンクが多くなったりしちゃうんです!てわけでそれにします!

「え、オレが選んだやつでいいの?」
「え、何か問題でも?」

いや全然問題ないけど、ってじゃあなんなんだろうか。私が選ぶとなったら時間かかったと思うし決めてくれてありがとうなんですが。
そう云ったらニコニコと嬉しそうだったのでそのままレジに向かった。仙道くんは案外不思議ちゃんだなぁ。
雑貨屋での買い物を済ましてまたぶらぶらと歩いて、途中でアイス屋を発見したので休憩して(ちゃんてアイス好きなんだねーと笑われた)帰った。
うん、仙道くんとデート楽しかった。またおでかけしようねって云ってくれたし、仙道くんも楽しかったと思ってくれたんだよね?
さて、私は明日御手洗先輩になんと云って諾を告げようか・・・一番平穏に済む策を考えなければ。
断るわけじゃないのにこの緊張感て一体・・・







補足 仙道くんは天然タラシだけど本当に好きな子以外には可愛いとか絶対云わない。いいんじゃない、とかでごまかす。