ぬぬぬ、ついにやって参ったぞ海南大附属高校!今日から私は此処の生徒!
ひゃっほいエンジョイハイスクールライフ(再)だぜ!と心中ハイテンションになりつつ職員室へと向かい、担任の先生に挨拶をしてクラスへと案内してもらう。
誰か知ってる人いるかなぁー、なんて同じ学年の知ってる人なんて神くんしかいないんだから神くんがいますようにと念じながら教室のドアをくぐった。
簡単な自己紹介をされている間にクラスを見回せば、いたよいましたよ1人おっきい男の子がー!きゃーかっこいい!ちょっと幼い神くんもえ!しかもその隣の席空いてますけどもしかしてしなくても私の席なんじゃないですかね!?
「じゃあさん、あの窓側の後ろの空いてる席について」
「はい」
やたー、やたよ!神くんのお隣げーっと!心の中でぐふぐふ笑いながら席に着くと、神くんがにっこり笑って「よろしくね」と挨拶してくれた。きゅきゅきゅーん、神きゅんかっこよす!
「わからないことあったらなんでも聞いてね」
「ありがとう」
なんと優しいお言葉!ほれてまうやろー!と心の中で叫んでいる女子多数と見た。いや実際モテ男だろうなぁ。仙道くんももってもてだろうなぁ。スポーツマンてすてきよね!背高いだけでポイント高しだし!
始業式に向かう途中に何人か話しかけてくれて、雰囲気のいいクラスだと思った。やっぱり皆神くんに癒されているからストレスがないんだと思うのよ。うんうん。
しかし始業式とかこういうのってどこの学校も似たようなもんだよなぁ。あー、牧さんいないかなぁ。さすがにこの大人数の中見つけられないか・・・
始業式が終わり、LHRも終わり、さようなら〜となったので帰りますわたくし。
バスケ部は今日も練習があるらしいですがまぁいつか見に行くでしょう。やっぱり慣れない環境ってのは疲れるわー。若い子にいっぱい囲まれて若いエキスを吸おうかと思ってたけど逆に吸い取られた感じするわー。はー、帰って寝よ寝よ。とポケッと歩いていたところ捕獲されました。
「ちょっとアンター!」
「えっ?!」
がしっと肩を掴まれたと思ったら目の前に女子のドアップが現れた。
な、ななななんですか?!ていうか誰?!
「なんなのアンタ!アンタみたいな子今まで見たことないわよ?!」
「え、え?えと、今日から、編入してきたんですけど」
なんなんだこの無駄にテンションの高い人は!ていうかがくがく揺さぶんないでー!気持ち悪い!
「編入?なるほど」と何やら納得した彼女はそのまま私の腕を掴んでずんずん歩き出した。当然引きずられる私。あうあう、さっきの余韻で思うように抵抗できないー。
土地勘がないのでどこに向かってるのか全然わからず、私はただ引きずられるがままでありました。
「チューッス!」
「え、御手洗先輩?って、え、さん!?」
「あ、え、神くん?」
おや?神くんがいるってことは此処は体育館ですか。え、思いっきりバスケ部練習してるじゃん!な、なんでこの人ずかずか入ってってんの?!
「ちょっと神、知り合いなの!?こんな逸材、なんで教えないのよ!」
「なんでって云われても・・・」
だから今日編入してきたって云ってんじゃんかよー。人の話を聞かない人だな。ていうかさっき納得してなかったっけ。
ああ、神くんが困り顔じゃないか!いや私もか。ほんとなんなのこの人。逸材って何!
「ちょっと牧ー!」
「え」
御手洗先輩とやらはコート内で練習中だった牧さん(!)に無遠慮に声をかけて呼びつけた。こ、この人は一体・・・!てゆか牧さんだー!うおー!ごついー!じいーーーー!かっこいいいいいいいいいいいいいいいいい!
ちょ、ま、牧さんがこっちに来るでないか!
「なんですか先輩。・・・この子は?」
「さっき校門前で見つけた」
「は?」
「この子に私の跡継がせるから」
「「「え?」」」
おおっとぉ、牧さんと神くんとハモってしまいましたよ!ミラクル!って違う!何、跡継がせるって。え、マジでこの人誰なのぉ。
「ちょ、ちょっと待ってください!あの、何がなんだかさっぱりわからないので説明をください」
「・・・先輩、まさか何も云わずに無理矢理引っ張ってきたんですか」
「有無を云わさずね!」
「胸を張るところじゃないっていうか犯罪ですよそれ・・・」
うわーん云ってやってくださいよ2人ともおおおお!ほんとに!でもその前に説明ぷりーず。
え、何なに、この人は3年の御手洗杏(みたらしあん)先輩(おいしそうな名前だな)で、バスケ部の元マネージャー(本人曰く元敏腕マネージャー)で、受験の為に夏の大会で引退した(成績やばいらしい)と。ふむふむ。
それで他にマネージャーがいなかったので後継者を探していたと。ほうほう。
しかしそこは名門海南、バスケ部は皆の憧れの的でありよっぽど神経が図太いかよっぽど皆を納得させられる何かを持っている人間でなければ勤まらないだろうと。ふーん、先輩はきっと神経が図太い方ですねわかります。
え、何それもしかして私が神経図太いって云いたいんですかそうなんですか。まぁどちらかというと太い方かも知れませんがそれなりに繊細なんで神経図太いって云われるとちょっと落ち込んじゃうんですけど、え、違う?じゃあ何ですか。
「見よこの美人オーラ!生まれながらにして持ち合わせたのであろう気品!にじみ出るインテリ臭!この子以外にマネージャーに適した子がいるだろうか!いやいまい!」
「は、はぁ?」
え、なんですかこれ褒められてる・・・のか?や、やだなぁ、そんな褒めてもなんも出ませんよ?ふははははは、ハッ、作戦だな!おだてて頷かせようって魂胆だな!そうはいかないんだから!
うっ、ちょっと牧さんも神くんもそんな目で見ないでくださいよ。い、いたたまれない。
「まぁ、先輩の云いたいことはわかりましたが、やるかやらないかは本人次第ですから」
「ちょっと牧!あんたこんな可愛い子にマネージャーやって欲しいとか思わないワケ?!」
「いやだからそういう問題ではなく」
「さん、ゴメンね。御手洗先輩、一度こうと思ったらどこまでも突き通す人だから」
そんな感じですね。なんていうかちょっとノブっぽいわー。ノブとこの人の絡みをちょっと見てみたかったわー。桜木花道とも絡んでほしいわー。
なんて他人事のように見ていたら御手洗先輩にずいと詰め寄られた。こ、コワイ。
「ちょっと!アンタも海南に入ったからにはバスケに興味あるんでしょ!」
「え」
「マネージャーやりたいでしょ!やりたいよね?!」
「え、えーと、その」
なんという強引な人だろうか。思わず頷いてしまいそうになったところで助け舟が入りました左右から。
「先輩、無理強いはやめてください」
「さん、よく考えてから答え出してくれればいいから」
「う、うん」
「こらー!牧!神!そんな悠長なこと云ってたら他の部に取られるだろー!」
ぎゃいぎゃいとその後も御手洗先輩は騒いでいたが高頭先生が現れたことによって鎮まり(これからは高頭大明神と呼ぼう)、結局私は2時間ほどバスケ部の練習を見学させられた。
うん、練習はすごかったし見てて楽しかったけど疲れた。どっと疲れた。今日はよく眠れそうだ。
神宗一郎
温厚で優しいがツッコミは鋭い。本人は本当のことを云っているだけなので悪気はない。真顔で(笑えない)冗談を云ったりたまに突拍子もないことをする。計算高くここぞと云う時を見逃さない。
牧紳一
中身は普通の高校生。ただしずれてる。彼の隣にいると違和感なく高校生でいられるとの理由ではいつもくっついている。その理由を知らない彼は素直に嬉しい。天然だが肉食系。
御手洗杏
海南バスケ部元マネージャー。KY。猪突猛進。甘いもの中毒。