「あっ、立花先輩そこは!」
「同じ手が二度も通用すると思っ・・・?!」



後ろから喜八郎くんの焦った声が聞こえたけど、仙蔵くんはまたフェイントであると思ったらしい。
だがしかし。
だがしかし、それはフェイントではなかった。



「うわあああっ」
「にひゃああっ!!」



な、な、な、何が起こってどうなって私は大空へ舞い上がってしまったのでしょうかああああ?!
飛んでるよ!箒無しで飛んでるっ!てゆーか落ちてる!落ちてるよおおおおお!お願いだから誰かキャッチしてえええ!
仙蔵くんはとっくにどっか彼方だよ!そっちも心配だけど今は自分のことで精一杯ですよおおおお!
ぎゃああ落ちるううううう!衝突するううううう!



「レシーブ!!」
「へっ」



衝撃を覚悟して目を瞑ったら、なんかレシーブされた。な、なんでレシーブ?!
誰だ!キャッチしてよ!また落ちてるじゃないか!



「・・・トス」
「ほええっ」



今度はトスされたけど!おいいいいいだからキャッチしろよバカタレええええ!いや待て!レシーブ、トスと来たらもしやまさか次は、あ、あ、アタックか?!アタックなのか?!いやだああああ!私はボールじゃないのよおおおお!お願い誰かヘルプミいいいいいい!



「アターッッ、く、あれ?」
「は、はれ?」



次に来るであろう衝撃に耐えようと身体をぎゅっと縮めたけど、考えていた痛い衝撃ではなくぽすんと収まるところに収まったというような衝撃を感じました。おそるおそる目を開けてみると、そこには思いもよらない相手の顔が。



「大丈夫ですか、さん」
「え、あ、え、ど、土井先生?!」



そう、私をキャッチしてくれたのは土井先生でした。
うわーん土井せんせええええええ!貴方は神か!救世主か!なんかもうホッとし過ぎて思わず首にすがりついてしまったよ!あ、あれ?でもこれって生徒達のオリエンテーションなのでは?という疑問が浮かんで、ばっと首筋から離れて土井先生の顔を伺う。・・・先生、お顔が赤いみたいですがどうしましたか。



「あの、何故先生が?」
「あいつらは全員失格としましたので」
「えっ」
「ま、当然の事です」
「木下先生」



いつの間にか木下先生が隣に。え、失格って?どういうことですか?
そう思ったのは私だけではなく、いつの間にか集まっていた上級生達が先生達に抗議を始める。



「先生!!失格ってどういうことですか?!」
「アホ、保護対象でバレーするヤツがあるか。失格に決まっているだろう」
「そんなぁ」
「他の者も、バレーボールにされているさんを助けられなかったので失格」
「ええー!」



皆がっくり肩を落としていた。まぁ、そうだよねー。せっかくいろいろ頑張ってたんだもんね。でも私はとてつもなくホッとしていますよ。もう普通に帰りたいです。そして死んだように眠りたいです。いや、その前に学園長に呪いを掛けなくては。



「ではオリエンテーションを終了する!全員学園に戻るぞ」
「全員揃っていないチームは各員を回収してから戻るように」



こうして、学園長の突然の思いつきのオリエンテーションはまさかの展開で幕を閉じたのでありました。
ちなみに1年生は兵庫水軍からお魚を貰って帰ってくるのが課題だったらしいです。そっちは無事に遂行されたようで、夕飯は美味しいお魚料理を頂きました。
そうそう、学園長には数日間声が出なくなる呪いを掛けておきました。また変な思いつきされて実行されても困るしね!(筆談があるじゃないかとかそういうツッコミはなしだぜ!