兵庫水軍の皆様方は快く迎え入れてくれました。
「忍術学園にこんなべっぴんさんがいたなんてなぁ」
「あ、学園には昨日からお世話になっているんですけど」
「昨日?お前さん、昨日の今日で学園長の思いつきの犠牲になってるのか・・・不憫になぁ」
「いや、そもそも私が学園にお世話になることになったきっかけも学園長の思いつきが原因でして」
「そいつぁますます不憫になぁ」
第三協栄丸さん、そんな不憫不憫云わないでくださいよ!ホント不憫だよ!あ、やべ、泣けてきた。ダメダメ!美味しいご飯がまずくなっちゃう!現在、水軍館なるところでランチをごちそうになっております。いやぁ、さすが海の幸が美味しいんです!結構な距離歩いたけど、美味しいご飯ですっかり回復ですよ。
「おい網問、押すなよ!」
「ええー、だって見えないんだもん」
「重、そこどけ」
「いてっ、何すんだ航!」
なんか後ろの入り口の方が騒々しいんですがなんですかね。しかしそれよりも私が気になるのはですね、そこの人ですよ。
「あのう、そちらの方は何故桶に足を突っ込んでるんですか?」
「ああ、こいつは陸酔いが激しくてなぁ。こうしていないと陸上じゃろくに行動できないんだ」
行儀悪くてすみません、と当の本人である鬼蜘蛛丸さんは照れたように頭をかいている。は、はぁ。何故照れるか。
「あっ」
「うわっ」
「いたっ」
「ぎゃっ」
「・・・大丈夫ですか」
「いやー、落ち着きない連中ですまんなぁ」
後ろでごちゃごちゃやっていた人達がドミノ倒しのように部屋になだれ込んできた。
別に、此処は皆さんのホームなんですから気にせず入ってくればいいのに・・・
「わーっ、目ぇ合っちゃった!」
「やばっ、どストライク!」
「やばっ、陸酔いが・・・」
「ぎゃー!間切っ、俺の上で吐くな!」
「お前ら静かにしろー。お客さんの前だぞー」
「あ、いえ、私の事はどうぞおかまいなく」
なんかほのぼのしてるなぁ。ま、いいや。それで戸部先生や、そろそろオリエンテーションの詳細を教えてくださいよ。
え、何も知らないのかってそうなんですよ第三協栄丸さん。私は何も知らされずに此処まで連れて来られたんですよ。あああ、そんな哀れみの目で見ないでくださいいいい!
「オリエンテーションの内容は」
「内容は?」
「チームに分かれ、囚われた要人の奪還・保護」
「・・・・・・んん?」
囚われた要人、とな。それは一体。え?なんで皆私を見るの?え、だって私別に囚われてないよ?え?これから牢に入る?誰が?
「えええええええええ!!」
「可哀相になぁ」
「えっ、ちょ、マジっすか戸部先生!」
「大マジだ」
「酷いっ!私が何をしたと云うんですか?!」
「それは学園長に云ってくれ」
そうですね!ごもっともです!でも今此処で文句を云える相手は戸部先生だけなんですよおおお!
泣きすがったってしょうがないじゃんかよおおお!私ってばホントに不憫!戸部先生がぽんぽんと頭を撫でてくれるのが更に悲しみを増長させますえぐえぐ。
「心配するな、牢に入るのは少しだけだ。すぐに生徒達が迎えに来る」
「ほ、ほんとですかぁ?」
「ああ、頃合いを見計らって入ってもらうだけだ」
「ううう」
戸部先生が優しく諭してくれるけど・・・こんな扱い酷い!学園長おおおおお!やっぱり呪ってやるうううう!覚悟しておけえええええ!