午後、小松田くんに案内の続きをしてもらった後暇になってしまった。
一度学園長の庵に戻ったけど学園長は留守。やる事もないのでおやつにしよーと思います。
天気は快晴。暑くもなく寒くもなく、爽やかな 日だ。縁側にぼーっと座りながら紅茶を啜りクッキーを頬張る。
帰る方法は学園長が責任もって探すって云ってたけど、自分からも探すべきだよなぁ。学園長の怪しげな術で喚ばれたって云ってもやっぱり此処に来た意味ってのがあると思うし、それを探そう。



「こっちかー!!えっ!?」
「うん?」



がさり、と庭の植木から男の子が1人現れた。・・・なんでそんなところから。黄緑っぽい制服は、3年生だっけ。
私を見て固まっている男の子をちょいちょいと手招きすると、彼はおずおずとながら近寄って来た。



「君、どうしたのこんなところで」
「実技の授業中だったんですが何故かこんなところに」
「・・・」



・・・何故かって、それって迷ったってことですか。学園内で迷うって・・・大丈夫かなこの子。



「ではぼくはこれで!」
「えっ、ちょっと待って!」



くるりと方向転換して去ろうとする少年を呼び止める。なんていうか・・・この子をこのまま返してはいけない気がする。



「なんですか?」
「えーと、君、クラスと名前は」
「3年ろ組、神崎左門です!」
「神崎くん、授業に戻る前にちょっとおやつに付き合ってくれませんか」
「えっ?おやつにですか?!でも授業中で・・・」



それはわかっています。が、とりあえず迷子保護が先だと思うのです。もしかしたらもう誰か探してるかもしれないし、下手に動かさない方がいいと勘が告げているのです!



「ちょっとくらい戻るのが遅れてもいいんじゃない?」
「それは・・・そうですね!」



ぴょん!と嬉しそうに飛び跳ねて神崎くんは私の隣に落ち着いた。可愛いらしい仕草にきゅんとしながら紅茶を新しく淹れてあげる。「ありがとうございます!」と元気よくカップを受け取って、クッキーを美味しそうに頬張る姿はなんとも可愛い。



「そういえば」
「うん?」
さんは真面目に授業に出る男が好きと云っていたのに、なんでぼくを誘ったんですか?」
「・・・昼の、聞いてたんだ」



いやー、確かに授業はちゃんと出た方がいいと思うけど、真面目に授業に出る男が好きと云った覚えはないんだけど・・・。
それに今はなんてゆーか例外だ。なんと答えようかと思っていたら、またがさりと植木が揺れ3年の少年が現れた。おお!もしや神崎くんを回収しにきた子かな!しかし何故わざわざ植木の中から!嫌な予感!



「なんで左門とさんが一緒にお茶飲んでるんだ?」
「おお三之助!お前も迷子か!」
「ええー?!」
「おれは別に迷子じゃ・・・」



神崎くん「お前も」って自分が方向音痴て自覚あったんかい!しかも今度は無自覚な子か!も、誰か保護者来い!



「・・・君も一緒におやつしようか」
「はい」



とりあえず、この子も保護しておこう。