つつつついに明日。明日ですよ!何がってハンター試験!あー、ドキドキする。
けどこういう時こそ平常心よね、とそわそわする心を抑えてただ今寝る前に洗濯物を畳んでおります。日常的なことをしてると落ち着くよね。逆に無心になれるっていうか。
その時突然、隣で静かに本を読んでいたクロロが「成る程」と云って本を閉じたと思ったら抱きついてきた。
なんか・・・嫌な予感!
「、キスしていいか」
「は?」
え、何急に。いつも問答無用で顔中にちゅーかましてくるくせになんで今日に限ってそんな前置きっていうか許可を求めてくるわけ。てゆーか、何が「成る程」だったワケ。一体何の本読んでたんだあんたはあああああ!
勿論おーけいなんて云いたくないし、かと云ってノーと云っても聞いてくれるとは思えません!ていうか改めて聞かれると恥ずかしいことこの上ないんですけど?!
答えない私にクロロはもう一度同じ質問をしてくる。というかむしろこれ疑問系になってなくない?やっぱり私の答え求めてないでしょ!
「いつも勝手にしてくるくせに何なの」
「いつも勝手にしてたからたまには聞いておこうかと思ったんだ」
ですって。聞きました奥さん。そういうのいらないんだけどって思いませんか。思いますよね。そもそもキスとかいい迷惑なんですけど!心臓に悪いから!
「で、いいのか悪いのかどっちなんだ」
「悪いって云ったらやめてくれるの?」
「いや、やめないな」
「だったら聞かないでよ!」
即答かよ!!私の渾身の叫びにクロロは笑って「そうだな」とか云ってますけど、わかってないでしょ!
わかってるはずがない。わかってたらこんなことしないはずだ。
「え・・・っ」
「ん、口にするのは初めてだったな」
「・・・・・・・」
空いた口が塞がらないとはこのことでしょうか。なんと、この、男。あろうことか口にちゅーしてきやがった。
のおおおおおお!こんなことならもっと抵抗すればよかったああああ!!と思っても後の祭りでござるが!
せっかく・・・せっかく今まで死守してきたのに!
死守っていうかクロロがしてこなかっただけなんだけど!高をくくっていたと云えばそれまでなんだけど!
「なんだぼーっとして。もっとしてほしいのか?」
「いやいやいやいや全力でお断りします!」
「そんなに拒否しなくてもいいだろう。傷つくぞ」
「いやいやいやいや傷つくの私だよね?ていうか今まさに傷ついてるの私の方だよね?!」
乙女の純情を汚したんだあんたはあああああ!ぶっちゃけ乙女とかいうキャラでもないけど!でもいろいろと心の準備っていうか整理っていうかああなんかもう自分で何云いたいかわかんなくなってきたけど!
そんな半泣き状態の私にクロロは眉を顰めた。え、何その顔。なんでそんな顔されなきゃいけないわけ。だからね、そういう顔したいのは私の方であってね。
「傷つく程嫌だったのか」
「え、嫌というかそういう問題じゃなくて」
「じゃあ嫌ではなかったんだな」
「いやだからそういうことではなくてね」
わかってない。わかってないよ。こんのすけこましのセクハラ大魔王め。全く悪びれてないところがムカつく。っていうかなんでそんなニコニコしてるわけ?なんで超嬉しそうな顔してるわけ?私怒ってるのわかってるでしょ。それくらいわかるでしょ!?
「なんで笑ってるの!」
「が可愛いから」
「はぁ?私怒ってるんだけど?!」
「真っ赤な顔して怒られても、可愛いだけだと云ってるんだ」
にこにこにこ。そんなクロロを見て、私は一つ悟った。クロロにとってはキスくらい大した事ないんだろう。ていうか、あれだ、彼は盗って来たお宝を愛でてるだけなんだ。何がそんなにお気に召したのか知らないけど、私の寿命が縮まるから本当に勘弁してほしい。あまりにあんまりで、最早怒る気力すらない。毒気を抜かれたっていうか。
そもそもそんなに怒っていた訳でもないんです。ただ恥ずかしくて、どうしたらいいのかわからなくて、普通怒るところだよなと思って怒ってみただけで、ぶっちゃけ嫌か嫌じゃないかで答えろっていうのなら、嫌じゃなかったんです。・・・絶対、ぜええええええったいに内緒だけど!だってクロロにキスされて嫌じゃなかったなんて、どんだけ絆されてるんだ私!って感じでしょ!最初はあんなに怖かったのに、今やキスされても大丈夫なんて・・・これ以上常人離れしたくないのにいいいいい!
「よし、寝るか」
「え、ちょっと、まだ洗濯物残って」
「そんなものは明日でもいい」
ほら明日は早いんだ早く寝よう、と云ってクロロは私を抱き上げて寝室に向かって歩き出した。
え、いやマジでちょっとストップ!まさかまた一緒に寝るの?!今この流れで?!む、む、無理!今度こそ貞操の危機!いやあああ誰か助けてヘルプミー!!