クロロとの生活を始めてから早5日目、今現在朝食を作っております。朝食っていうかブランチだけど。食事の内容はパンケーキと、ベーコンと卵を焼いたもの、サラダにスープ。どうやら彼はパンケーキがお気に入りらしい。そうだまたあのカフェ行きたいなぁ。クロロにお願いしてみよう。つーか早く起きてこい寝坊助め。

なんと意外なことにクロロとの生活は思っていたより最悪ではありませんでした。というのも、もしかしたらこの世界のクロロは犯罪者でないのではと淡い期待を抱いてしまうくらい彼は普通だったのです(勿論その可能性は極めて低いと思われますが)。

いや普通というのは語弊がありますね。お世辞にもいい性格とは云えないし、俺様で強引だし、アレも酷いし難をあげればたくさん出てきますからね!ただすぐになんでもかんでも殺る殺らない、盗る盗らないみたいな展開にはならないって意味で最悪ではないという意味で・・・え、アレって何かって。それはアレ、アレですよ。



「おはよう、
「ひあッ!ちょ、朝から気配消して近づいて来ないで!」



背後からぎゅっと抱きしめられて耳元で囁かれた。ぞわわっと鳥肌が立つ。変な声をあげる私の反応をクロロは面白そうに見下ろしていた。

そう、コレ。セクハラがね、はんぱねえのですよ、お兄さん。
何故かクロロは必要以上にスキンシップを求めるのです。頭撫でたり手握ったりハグしてきたり。それだけならまだしも今みたいにわざわざ耳元で話しかけて来たりキス魔か!と突っ込みたくなるくらいちゅーしてきたり。今のところ唇は死守しておりますがこのままだと時間の問題なのではと思う今日この頃なんです。

オーラの感じが落ち着くとかなんとか云っていたけど、私の意思も汲んでください。大体オーラって普通の人は微弱にしか流れてないんでしょ、って聞いたら(念については初日に大まかに聞いた)俺もよくわからないとか云ってまた面白そうに笑うだけなんです。わたしゃ面白くもなんともないんだこんちくしょー。1人だけ楽しそうにしやがってこのやろー。金とるぞ!・・・なんて怖くて云えませんが。



「とーにーかーく!ご飯、できたから離れて!座って!」
「はいはい。あ、、魔法でな」
「はいはい」



クロロは魔法を大層気に入ったようで、ことある毎に魔法を見せてほしいとせがんできた。こういう時は子どもみたいで可愛いのになぁ。

ほんと過剰なスキンシップさえなければクロロとの共同生活は全くなんの問題もないのです。そういうわけでどうにかセクハラ攻撃を避けられる手だてはないかと考えてはいるわけなのですがいい案なんて浮かばず毎日を過ごしているわけでして。

大体やめろと云ってやめてくれるなら既に悩んでいないわけですし、なんとかかんとか云いくるめられればこんなに悩んでもいないわけですし、避けられるもんならとっくにやってるってわけで私にもし逃げ道があるとすれば唯一つ。クロロが出かけてしまうことなのですけれども。

しかしクロロが出かける時は大抵私も連れて行かれるし、ちょっと出かけて来るって時はホントにちょっとで帰って来るし、私の平穏はそんなに長くは続かないのであります。
誰かこの人連れ出してえええ!と最早他力本願です。だって私にはもうどうすることもできないのよ。ていうか初日に手は出さないとか云ってなかったっけって感じなんですが。やっぱり反故にされましたよ。そんな予感はびしばししてたけど!



「そうだ
「何?」
「俺、午後出かけるから。帰りも遅いと思うし先に寝てていいぞ」
「え?」



うっそ、何コレ早くもチャンス到来?!ほぼ丸1日いないとか夢のような展開?!
夕飯もいらないから用意しなくていい、とか云っているクロロを目の前に思わず目を輝かせそうになったけど我慢した私を誰か褒めてください。