海南大附属高校に絶対入ってやると決めたのは小4の夏。
ミニバスのチームに入ってすぐにオレはバスケの虜になって、それを見た親父が連れて行ってくれた高校生の大会で海南は圧倒的な強さを誇り、選手たちはきらきらと輝いていてまるでヒーローのようで、オレも絶対この人たちみたいになるって決めた。
そしてついに高校受験となって、オレはバスケの推薦でほぼ入学が内定している。
早く来年がこねぇかと待ちきれない思いが日に日に強まっているところに、さらにドーンとすごい衝撃が走った。
毎年来ている海南の文化祭。一通り校内を一周するのは勿論だが一番の目的はやっぱりバスケ部にあって、特に今年は来年から一緒にバスケをする人たちに挨拶でもしてくっかとわくわくして向かったバスケ部の出店で、オレは衝撃的な出逢いをした。
一言で云えば店の前に立っている女の人がめちゃくちゃ可愛かった。
『男子バスケ部 やきそば600円』と書かれたボードを持っているからバスケ部の関係者なんだろう。マネージャーなのかもしれない。IH予選の時は見かけなかったけれど、最近入ったとかなんだろうか。
数十秒見惚れていたけれど我に返って列に並ぶ。だんだんと順番が近づくにつれてあの人との距離も近くなって心臓がドキドキと高鳴った。
どうする、声をかけるか?いやでもすげー可愛過ぎて声なんてかけらんねーよ。でもかけたい。何年生なんスか、名前なんていうんスか、マネージャーなんスか、来年もいますか、彼氏いるんですか。聞きたいことがいっぱいある。どうするどうするどうする。
ぐるぐると回る頭ん中にテンパって、でも彼女と目が合った瞬間反射的に声をかけていた。最初になんて云ったのかは記憶にない。ともかく1コ上の先輩だってわかって、さんて名前もゲットして、最近マネージャーになったばっかで、来年もいる予定だって聞いてテンション上がった。さすがに彼氏がいるかまでは聞けなかったけど、こんな可愛い人にいないわけないよな・・・と後で凹んだけど、とりあえずこの時は海南に入るって決めててホントよかったと思った。
来年入学してバスケ部入りますって云ったらさんは嬉しそうに「待ってるね」って云ってくれて、オレが入る時にこんな可愛い人がマネージャーでいてくれるなんてすげー奇跡だと思った。
ますますやる気が湧いて、早く来年になれって心底思った。

「スーパールーキー清田信長に期待しててくださいよ!」
「うんうん、来年が楽しみだね」
「はいっ!楽しみにしててください!」
「うん、清田だっけ?とりあえず後ろつかえてるから早くどいてくれるかな」

やべ、さんとの話に夢中になりすぎた。会計している先輩が笑顔ながらもプレッシャーをかけてきて慌てて場所を空ける。
本当はもっと話をしていたかったけど、あの牧さんも鋭い目で見ていたから今日のところは引いておこう。
やっぱりさんは人気者なんだな・・・望みは薄そうだけど、来年になればいっぱい話もできるようになるだろうし、すげー楽しみだ。
おし、何が何でもスタメン入りする為にもこれまで以上に頑張るぜ!




清田信長

猿というより忠犬。さん至上主義。でも生粋の体育会系なので先輩たちが怖い。無邪気でちょっぴりアホなので学習しない。