「信濃藤四郎だよ!大将、会いたかった!」
「わっ」
「あー、大将の懐~あったかくて、柔らかくていい匂い…」
「あ、う、うん」
いきなり抱き着かれました。さすが懐大好き信濃くん。いや、嬉しいよ?ぎゅーっとしてくる信濃くん可愛いし、ぎゅー自体は嬉しいんだけど、その、む、胸にね、お顔すりすりされると、なんというかとってもイケナイ気持ちになるんですよ!これセーフ?いや、アウトじゃね?いやこれが蛍丸とか今剣ちゃんとかもっとちっちゃい子の時は思わなかったよ?でも信濃くんちょっとだけお兄さんだしさ、まるっきり子どもとは思えないっていうか!
「あ、あのね信濃くん?」
「うわあ、大将に名前呼ばれた!って、大将どうしたの?顔が真っ赤だけど」
「う…えっと、私も、会えて嬉しいな…」
とっても純粋なきょとんとした目で見上げられたら、何も言えませんんんん。審神者が悪かった!信濃くんは「ほんと?嬉しい!」と満面の笑みでまた私の胸に顔をうずめる。…審神者よ、無我の境地を目指せ。
「大将の心臓の音…心地いいけど、なんかすごいドキドキしてる?」
「し、信濃くんっ、ひとまず座って話しませんか」
「えー、俺もうちょっと大将の懐にいたい」
「ええー…」
「もしかして、俺にこうされるのイヤ?」
ううっ、そ、そんなうるうるとした目で悲しげに見上げられたら嫌とは言えませんんんん。いや、ここは心を鬼にして!びしっと!いけないことはいけないと教えなければ!
「嫌じゃないけど、ゆっくり話せないでしょ?」
「むー、わかった…あ!そうだ!大将ちょっとこっち来て」
「え、え?」
「ここ座って~。そう、そんで、俺がここに座るから…」
え、何コレ私が後ろから信濃くんだっこしてる状態だけど…これってギリセーフ?
「んー、大将の顔見えないけど、まぁ懐だしいっか」
「え、う、うん?」
いいのか。まぁ本人がいいと言っているんだからいい…のかな。さっきよりはマシだよね。うん。
年の離れた弟に甘えられているということにしておこう。あー、信濃くんが弟だったら完全に甘やかしてるな。だって可愛いもん。綺麗な赤い髪だな~。
「それで、何話す?大将」
「え?うんと、本丸暮らしはどう?楽しい?」
「楽しいよ!兄弟もいっぱいいるし、みんな優しいし」
「そっか。誰かの懐にも、こうやって入ったりとかするの?」
「するよ~」
えっ、するんだ。冗談で聞いてみたんだけどな。誰の懐がいいとかあるのかな??
「一番好きなのはやっぱりいち兄かな!」
「そっか~」
いい…想像してしまった…兄弟仲がいいのはいいことだ…でも一期さんの懐はきっと争奪戦だろうな…「順番だよ」と微笑む一期さん(妄想)…よきかな!!
「あとねー、岩融さんとか大太刀の大きい男士たちはやっぱ安定感あっていいよね!小狐丸さんもふかふかだよ」
「へぇ」
「歌仙さんはいい匂いがするし、燭台切さんはたまに美味しそうな匂いがする」
確かに歌仙はいい匂いだったな…みっちゃんはあれかな?料理の後とかかな?
「三日月さんはお菓子もくれるから好きだなー」
「…信濃くん、もしかして全員の懐入ってる?」
「うん」
わー、なんて羨まし…げふん。みんな優しいって言うのはここから来てるのかな。長谷部とか宗三とか大倶利伽羅とかも例外じゃないってことだよね??ある意味信濃くんてメンタル強いな~~。
「あっ、でも大将の懐は別格だね」
「そう?」
「うん。嬉しさが断然違う。それに柔らかくていい匂いだし」
「それはまぁ性別の違いと言うか」
「そっか、大将女の人だもんね」
ぱっと振り返った信濃くんの整った顔が近くてドキッとする。ニコって笑うその表情が思ったよりも大人っぽくて、なんだか落ち着かない。
「…ねぇ大将」
「な、なに?」
「また次も、懐入れてね?」
意味深な微笑みを浮かべられて、「う、うん」とどもった返事を返すことしかできなかった。



天然?小悪魔信濃きゅん