「本当に主なんだね」
歌仙さんを我が家にお迎えいたしましたのですが、美しさにやられております現在午後10時。名刀の名は伊達じゃなかった!勿論伊達じゃなくて細川なんだけどね!そういう意味じゃないー。とにかくカッコイイのです。けっこー背高い。まつ毛ながいっ。なんか直視できないっ。
「主?うつむいてどうしたんだい?」
「あ、ご、ごめんなさい」
「いや、夜も遅いようだし、疲れているのではないかい?また改めてでもいいんだよ」
「ち、違うんです。ただ、その、歌仙さんがあんまりにもキレイで」
「僕が?ふふ、ありがとう。でも、僕でそれじゃあ三日月宗近に会ったら主はどうなってしまうんだろうね」
や、やっぱり三日月は他の追随を許さないほどの美しさなのでしょうか…考えただけでめまいが。しかし挙動不審な私を気遣ってくれるなんて優しいな歌仙さん!
「優しい?そうかな。主が優しいからじゃないかな」
「え?」
「改めて、会えて嬉しいよ」
「あ、はい、私も嬉しい…です」
わーん、歌仙は声も好きなんだよおおおおお。その優しげな微笑みと相まって効果倍増なのおおおおおおお。だめだ。妊娠しそう。いやいやだめだ。正気を保て私。
「そんなに固くならないでほしいな。僕と主の仲じゃないか。気楽に、かしこまらないでいい」
「そ、そうだよね。歌仙は初期刀で最初からずっといて…ずっと今までありがとう。そしてごめんね」
「なんだか別れの挨拶みたいだね。…え、主泣いているのかい?」
「だ、だってえええ」
なんかよくわからないけど感極まっちゃったんだよ。審神者始めてもうすぐ2年経つと思うけど初期刀ってなんていうかこうやっぱり思い入れっていうかいろいろ溢れ出してきちゃうものなんだね。ああ、もう若くないってことかなこれが。お酒入ってなくても涙もろくなってきてねえ。
「泣かないでくれ主」
「ううう、ごめんね、放置期間長くてごめんね」
「大丈夫だよ。戻ってきてくれたじゃないか」
「気が向いた時しかやらなくてごめんね」
「審神者には審神者の都合があるとわかっているよ。気にしないでいいさ」
よしよし、と歌仙が慰めてくれる。優しい。いい声。いい筋肉。好き。あ、んん?いい筋肉?うわ、いつの間に私歌仙に抱きしめられてる!いい筋肉してますね!好き!
「歌仙だいすき」
「なっ、主…あのね、本当なら夜遅くに男を部屋に入れるべきではないと思うし、何よりこの状況でそれはまずい」
「え?」
「まぁ、僕も悪いけれど…」
そう言って歌仙は離れていった。残念。もう少し筋肉を堪能していたかったのに。
「筋肉?主、筋肉が好きなのかい?」
「ん、まぁ、自分にはないから憧れる」
「確かに主は柔らか…コホン。あー、僕よりも立派な体格の男士たちは多くいるよ」
「そうかもだけど、歌仙の体格ツボ。いい筋肉。好き」
「う、うん、ありがとう…」
歌仙は微妙な顔をした。確かに、筋肉が好きと言われても微妙だろう。ごめん、筋肉筋肉うるさくて。これじゃ山伏のこと筋肉馬鹿とか云えないね。でもすごいマッチョが好きて訳じゃないのよ。語弊があるから訂正しておくけど、適度な筋肉がいいのよ。歌仙は文系とか言いながらいい体つきなのがギャップでまたさらに…やめよう。これ以上変態だと思われたらやばい。いやいや、本当はフェチの問題なんだけどね?男の人がおっぱいおっぱい言うのとおんなじなんだからねっ。あ、だめだ、逆に墓穴掘ったかもしれない。
「とにかく、主。もし他の刀に会うのなら明日にしてくれないか」
「え?」
「言っただろう。夜遅くに男を部屋に入れるものじゃないって」
でもゲームできるのなんて夜しかないんだけど。という言葉をすんでで飲み込んだ。なんだかこれを歌仙に言ってはいけないと本能が告げていた。明日からまとまった休みだし昼間でもログインできるしね。大掃除も終わってるし、明日は予定も入れてないし、今日は歌仙の言う通りやめておこう。それじゃあ今日は僕も帰るよおやすみまた明日と本丸へ帰ろうとする歌仙の着物の裾を掴んだ。
「歌仙、やっぱりもっかいぎゅってして」
「…主、僕の言葉全然理解していないね」
だっていい夢見られそうなんだもの。
次の日、身支度を完璧に整えてからまた歌仙をお迎えする。昨日ばいばいする時に本丸のみんなに通達を頼んでおいたけどその首尾はいかがでしたでしょうか。
「皆浮き足立っているよ。短刀たちは特にはしゃいでいるね」
「ふふっ、そっかぁ。あー、楽しみだなぁ」
「…いいかい、一つ忠告しておく。平安刀には気をつけなさい」
「え?」
気をつけるって何を?と首を傾げると、歌仙が「んぐっ」と変な声を出した。
「主、何度も言うけど君は女人だし、可愛いし美人だ」
「えっ?!」
何度も言うけどって言われてないよ?!清光と安定くんには言われたけど!
「そうだ。自覚してくれ。頼むから」
「う、うん…?」
「だめだ、あんまりわかってないね」
何故か頭を抱えられた。きっとあれよ。身内の贔屓目よ。主だから、初期好感度が高いんだよ。しかも歌仙も清光も安定くんも古株だから好感度MAX状態なんじゃない?ポケモンでいうなつき度MAX?
「歌仙、大丈夫だよ。私これでもそれなりの経験もあるから」
「それなりの経験とは…」
「あー、もう。とにかく大丈夫だってこと!心配しすぎ!何か大変なことが起こったら強制ログアウトするから」
「ああ、そうしてくれ」
いやー、そりゃ歌仙たちからしたら赤ちゃん同然な歳なんだろうけど、もうそれなりに人間やってきましたから。そこまで心配してもらわなくても。むしろ身持ち固すぎて彼氏いない歴更新しまくってんのよ。少しくらいハメはずしたいぜアハハ。
みんな大好き初期刀。